今日は、海斗がこの学校を卒業する日。



海斗が居なくなる事に沢山の不安がある。

教室の窓を開け、海斗に初めて告白をされた時の中庭を眺めながら…

海斗との二年間を振り返ってみた。





全てが笑顔溢れる思い出だった。

海斗にちゃんと、

『ありがとう。』

って伝えなきゃ。







「お〜い!」

誰かに手を引かれた。

「美空〜何、たそがれてんの〜!早く玄関に行くよっ!小池先輩のボタン無くなっちゃうー!」

「あっ!はいはい〜。」



後輩達は、好きな先輩の学ランのボタンを貰ったり、写真を撮る為、生徒玄関で待っているのがこの学校の風習。

私も海斗に話があり、女子生徒で溢れている玄関の後ろの方で、美月と待つことにした。

美月の目当ては、海斗と仲が良いサッカー部の小池先輩。

海斗が小池先輩や女の先輩達と一緒にやって来た。

人気者の海斗はすぐに後輩達に囲まれ、写真とかを求められているようだった。

美月は小池先輩にボタンを貰うために行ってしまった。

私は騒がしい玄関から背を向け、グランドの方を向き、段差に腰を下ろした。




ソラを見上げるとタイヨウが輝いていた。

1人になると考えてしまう。陽のこと。

「はぁ〜。」

陽も今日卒業だよね…

第2ボタン…