私の家は、学校まで歩いて30分もかかる田舎町。

転校生の太陽君はまだ道を知らなく、昨日の夜おばさんに頼まれ、しばらく一緒に登校することになった。





<ピンポーン>



「は〜い!」

「あの、及川美空です!」

「あっ!美空ちゃん!おはよう。…ちょっと待ってね〜。」


<ガチャッ>


玄関が開いた。

そこにはエプロン姿のおばさんが、太陽君を急かすよう手招きをしていた。

「太陽!早くしなさい!」

太陽君はまだ眠いのか、目を擦りながらようやく玄関へやって来た。

「おはよう!」

私がそう挨拶をすると、太陽君は頷いた。

「いってらっしゃ〜い!美空ちゃん、太陽の事宜しくね!」

おばさんは笑顔で、私達に手を振った。