陽だった。

「空、どうした?」

陽の顔を見たら少し安心をし、涙が溢れ出してきた。

「お母さんが…事故に遭ったって。今から病院へ行かなくちゃいけないんだけど…。」

「はぁ?!まじかよ!!おじさんは?」

「東京に出張で、来るのに2時間はかかるって。」

「そうか…。」

陽は、私の手首を掴み走り出そうとしたが、足が竦み動くことが出来なかった。

「恐い…。」

震える声で言う私に、

「俺も一緒に行くから、大丈夫。」

そう言って陽は、温かい手で優しく私の涙を拭いてくれた。

陽は私の手を握り、体の事も心配してくれながら、二人で病院まで走った。