「記憶が消えてしまうなら、私の体も心も全て消えてしまえばいい…。」

「空…。」

「怖いよ、もういやだよ…。辛いよ…苦しいよ…。」
空の弱音を聞いたのは初めてだった。

ずっと我慢してたんだね。

「なぁ、空。僕、絶対に医者になるよ。空の病気必ず直す。」

「…。」

「約束する。生きてさえいれば、いずれ全てが解決する。それまで、ゆっくり歩いて行こうよ。」