その時携帯電話が鳴った。

〈ルル♪ルル♪〉

「もしもし?」

「空?」

「陽っ?!」

「ごめん…僕だよ。」

「海斗…。」

「あいつ、来ていないんだね。」

そう言って、すぐに切れた電話。

陽は私の番号なんて知らないのにね…。

気が付くと雨が降っていた。

まるで…

私の心の用に。

寂しさでいっぱいの私に追い打ちをかけるかの用に、冷たい雨が叩きつける。