そして、私は北山先輩の後に着いて行った。

着いた先は、私がいつも居た旧美術室だった。

「お前よくここに居たろ?」

「はい!どうして知っているんですか?」

「前、窓から見えた。」

先輩が指を指した場所は、中庭を挟んで同じ階にある空き教室。

「確か…空き教室ですよね?」

「うん。あそこ、俺らの溜まり場。」

「そうなんですか!」

暫く沈黙が続いた。


「てかさ、お前なんで金パなの?1年でお前だけだろ。」

「あぁ…弱いから…。」

私は俯き、小さな声でそう答えた。

「はぁ?何?」

「弱いから、強くみせる為です。」

「ふーん。」

「…でもいじめられていたんですけどね。」

空気が重くなった気がした。

だけど、その空気を先輩は一瞬にして変えてくれたんだ。



今でも忘れない…

あの言葉…