「ここ!!」

陽が指を指した場所は、少し寂れてた古いビルだった。

今はもう誰も使ってなさそうだ。

躊躇する私は、陽に手を引かれながら、恐る恐る階段を昇った。

結構な数の階段を昇り、一つの扉の前に辿り着いた。

そこは、ビルの屋上だった。

陽がその扉を開くと綺麗な景色が目の前に広がった。

小さな町だが、町中を見下ろすことが出来、とても気持ちが良かった。

「凄い☆初めて見たよ、嬉しい♪」

「ここ、俺の秘密の場所。」

「良く来るの?」

「うん、ここに来ると嫌な事が忘れられるから。」

「そうだね…。」

私達は暫く綺麗な景色を眺めていた。

「夜はもっと綺麗なんだよ、今度は夜に来よう。」

「うん♪楽しみにしてるね。今日は本当にありがとう。」