アタシは、啓くんが去ってからしばらくしてから教室に戻った。


「柚希!何してたんだよ!」


「別に何でもいいじゃん。」


アタシは冷たく恭介をあしらった。


「まぁ何でも良いけどな。」




授業が始まったがアタシは全然集中できず、気づいたら啓くんのことばかり考えていた。



歌...上手だったなぁ...



なんでだろう...?
胸があたたかくなった。



授業が終わり帰り道を歩いていると、後ろからアイツの声がした。




「柚希ー!」



「何!?大きな声で呼ばないでよ!」



「まぁそんなカリカリすんなって!」


恭介は笑いながらそう言った。



「今日お前機嫌よさそうだったな。なんか良いことあったのか?」



「まあね。」
アタシはニヤっと笑いながら言った。



「なんだよ、教えろよ。」



「なんでアタシが恭介に教えないといけないのよ!」



「特に理由はないけど...
強いて言うならば幼なじみだから?笑」



「恭介には教えない!」



「なんでだよー教えろよー。」


恭介はふくれながら言った。



「教えないったら教えないの!」



「わかったよ...」



恭介はしょんぼりとうつむいた。