ｱﾀｼ...

会話の相手は、
金田 咲(ｶﾅﾀﾞ ｻｷ)
ｱﾀｼと一緒に男ﾊﾞｽのﾏﾈ-ｼﾞｬ-をしている。



｢柚希が遅刻しなくてすんだのは
俺のおかげだよな！｣

恭介が教室に入って来ながら言った。


｢なんで置いて行くんだよ！｣


｢お礼言ったじゃん！｣


｢ﾎﾝﾄお前可愛くねぇな〜｣


｢別にｱﾝﾀに可愛いってゆわれたって
これっぽっちも嬉しくない！｣


｢また始まったよ〜
毎朝恒例の柚希と恭介の痴話喧嘩〜｣


｢痴話喧嘩じゃない！｣
｢痴話喧嘩じゃねぇ！｣

ｱﾀｼと恭介は声をそろえて言った。


｢本当に柚希と恭介は
仲が良いのか悪いのかわからないね。｣


毎朝同じことを繰り返し
いつもと変わらないはずなのに
いつもよりｲﾗｲﾗした気がした。


気分を晴らすためにｱﾀｼは始業式をさぼって屋上で寝転んでいた。



｢…♪…♪♪…｣


どこからか歌声が聞こえる...


｢〜♪♪〜♪〜♪｣


この歌なんだったけ?

曲名を思い出したと同時にｱﾀｼは目が覚めた。


｢Signだ...｣



｢あっ!ごめんね、起こしちゃって。｣


声がするほうへ顔を向けると、そこには同じ学校の制服を着た知らない男子生徒がいた。