入念に章に付けられた内出血の跡を消してると、章に消さなくていいのに、なんて非常識なことを言われた。

「なんでよ。こんな跡だらけで学校行けないよ。」

「生徒に腐ってるとか言われなくなるだろ?」

「…そしたらある意味、腐ってるじゃん。」

彼氏じゃない人となんて倫理に反する!

「そっか。」

「それより、早く帰った方がいいんじゃない?」

「平気だって。まだ時間あるし。」

「…税金の無駄遣いしないでよね。」

分かってる、と穏やかに笑う章。

「じゃあ、私行くけど章は?」

鏡でキスマークが隠れたのを確認して立ち上がり、章に問う。

「じゃ、俺も行こうかな。遅刻なんてしたら美加に怒られるから。」

「一言余計だよ。」