時間もあまりないし、軽く朝食を作る。一応、章の分も。
「章って仕事なにしてるの?」
「言ってなかった?外務省。」
「へえ、外務省…って外務省!?」
外務省って…官僚ですか。凄すぎるよ…外務省って。
「章、かなり頭よかったけどまさか…官僚になるなんて。」
「俺昔から秀才だったから。」
ニッと笑う章にため息を吐いて卵焼きを作る。
「なに作ってんの?」
「朝ご飯とお弁当。」
「弁当、俺の分ある?」
「…ないよ。お弁当箱私の分しかないし。」
「美加の弁当食いたいなー。」
物欲しげに私を見るから、焼き上がったばかりの卵焼きを章にあげた。
「サンキュー!」
あまりにもおいしそうに食べる章に、私は頬が緩む。
「仕事あるでしょ?シャワー使ってもいいよ。」
「着替えないし、一旦うち帰るわ。」
「そう。」