「んー…美加おはよう。」


重たい瞼を擦り、私に笑顔を向ける章。…可愛いって不覚にも思ってしまった。

「じゃなくて!」

「へ?」

自分自身に対するツッコミを思わず口に出してしまう。…ああ、なんだか恥ずかしい。

「これ、なにかな?」

首筋を見せ付け、いつもより低い声で問いただす。

「ん?キスマーク」

語尾にハートがつくんじゃいか、そう思うくらいかわいらしく彼は答えた。

「そうじゃなくて。なんでついてるのかな?内出血の跡が。」

「…吸い付いたから?」

「馬鹿!ってかなんで章とこうなったの?なんで章がここにいるの?てか、服着て!」

「落ち着いて、落ち着いて。」

この状態で落ち着けますか。

「なんでこうなったか?それは美加が誘ったんだよ。」

「は?」

そんな記憶ございません。着替えながら昨夜のことを言う章に私は心の中でそう言い返した。


「一人は寂しいって俺を部屋ん中入れて、それから美加が…」

「もう言わないで。分かったから。」

要するに、悪酔いしたのね私。