今思えば、その行為は章に対して酷いことだと思うけれどその時の私には理性なんてカケラもなかったんだ。
「章ー」
「なに?」
「なんでもない!」
「なんだよ、それ。」
そんな会話を何回かしていたら、見慣れたアパート。私の家。
「ここが、私の家!」
「あれ?もしかして、一人暮らし?」
「そう!自立した女になろうと思ってね。」
そうえばると章は優しく微笑み、まるで小さい子供を褒めるかのように私の頭を撫でて「偉い、偉い」と言う。
「子供扱いしないでよね!」
「美加って仕種とかたまに子供っぽいじゃん。」
ケラケラ笑う、章に酔った私の中で何かが切れた。