相手は手強い。
年上からかってなにが面白いんだか…。

でも、もし…本気だったら?

……ないない。

きっと高校生から見たらきっと私はおばちゃんだし。口うるさい先生だもん。
…いくら他の先生より歳が少し近いからって…

「馬鹿にしないでよね!」

もういない坂上くんに聞こえるはずないのに、彼に向かってそう大声を出す。


でも、でも…でももし万が一本気だったら…。
そう考えると頭がパンクしそうになった。いろんな表情の坂上くんが独占してる脳みそ。それはもう、惨めで。

いつもいつも、彼のこと考えてる私って…なんなんだろう。好き?…違う。
彼は問題児なだけで、好きじゃない。そう、好きじゃない。

呪文のように心の中で繰り返し唱えた。