相手は六つも離れてる子供。その言動ひとつひとつにこんなにドキドキしてたら身体が持たない。
それなのに、わかってるのに、どうしてこんなに意識してしまうのだろう。


「柳先生。」

「…あっ、はい。」

そんなことを考えてると名前を呼ばれた。顔を上げると村川先生。

「同窓会の案内届いたか?」


「同窓会?」

あるの?頭にはてなマークが浮かぶ。

「だと思った。佐藤が柳だけ返事来ないって困ってたぞ。」

「佐藤ってまさか飛鳥(アスカ)?懐かしいっ!」

飛鳥は私の高校時代の親友で大学は別々だったけどそれなりに会ってた。でも、ここしばらくは連絡を取ってなかった。

「時間が出来たら早いうちに連絡してやれよ?」

「はい。」

そっか。同窓会…楽しみだな。
みんな元気にしてるかな?久しぶりに高校時代を共にこの学校で過ごしたクラスメートのみんなに会えるかと思うと嬉しくて自然に頬が緩んだ。


同窓会、といったらもしかしてあいつに再会するかも。高校時代の元カレ。
漫画とかドラマみたいに同窓会がきっかけでヨリ戻すとか…

「…ないない。」

ちらりと缶のカフェオレに目をやる。

「坂上くん…。」

無意識に彼の名前を呼んだ。その固有名詞を発した口を左手で塞ぐ。