「まぁ、教師になりたてでまだイマイチわからないところもあるだろうし、わかんないことあったら俺になんでも聞いてくれ。」

ニッコリ村川先生は笑う。先生は気立てがよくて、頼りがいがあって、生徒思いの先生だった。それは今でも変わってないみたいで、安心した。

「はい。ありがとうございます。」

「柳は昔から悩み事は一人で抱える奴だったろ?そこは直したほうがいいぞ。」


「はい。先生は、相変わらず気立てがいいですね。」


「だろ?」

二人で笑い合うとまるであの頃に戻ったよう。たった一度の高校生活。村川先生が担任で本当によかった。

いつか、私もそう言われる先生になりたい。