そんな私の濡れた頬に優しく触れた指。
なにも言わず涙を拭ってくれるあなたが、こんなにも愛しい。

「、坂上くん」

「…せんせ」

そう微笑みを返す坂上くん。もっと傍にいたい。
もっと、もっと…あなたの隣で笑いたい。

そんなことも、今の私には許されないのかな?

ごめんね、ごめんね。
私、馬鹿だね。

あの日、お互い傷付いてもあなたを突き放せば、こんなことにはならなかった。

モラルもない教師なんて、ダメだよね。
わかってるのに、どうしてそれができないのかな。