ニッコリ、笑ってそう言う。

素直に、嬉しかった。
何気ないそんな優しさが、心に染みた。

ゆっくりと近付く坂上くんの顔。私はその顔から、目を背けた。

頭に響く加納さんの声。

"先生、立場分かってますか?仮にも教師なのに、教え子とそういう関係になるなんて…非常識です。"

"こんなこと続けても、先生とマサは幸せになれるんですか?先が、見えないですよ。"

「せんせ…?」

「っ、ごめんなさい。」

涙が溢れる。とめどなく溢れるそれが、無情にも頬を伝う。

こんなにも、私は目の前にいる教え子に恋してる。