だから、章なら任せられる。私の大切な親友を。

「章、お願いだから…幸せにして。」

泣かせないで。
飛鳥は強がりだけど本当は誰よりも弱いの。その弱さを誰にも見せまいとする。ずっと、ひとりで抱え込むそんな女の子なの。

『ああ。絶対、泣かせないから、大切にする。』

「信じるよ?私、信じていいよね?」

『ああ。誓うよ。』

涙が溢れるのは嬉しいから。飛鳥が、幸せになれるそんな核心があった。

「―ありがと。」

『こちらこそありがとう。』

きっと、ふたりの未来は光り輝いてる。さっきと言ってることが違うなんて思われるだろうけど、私にはそう思えるの。

『有意義な23歳にしろよ?』

「うん。」

『おやすみ。』

「おやすみ。」

そう言って、電話を切った。