「わかんない。」

しばらく考えたけど答えは出ず、私は降参した。

『飛鳥だよ。』

「…え!?」

『びっくりした?』

「あ、当たり前じゃん!」

私の親友、飛鳥。そんな話聞いてない。

「飛鳥、なにも言わないから…」

『口止めしたからな。』

「なんで、そんな口止めなんて。」

『美加の誕生日に、電話する口実に。…なんてね。最近なんだ、付き合い始めたの。』

「そうなんだ。飛鳥のこと好き?」

なんてこと聞いてるんだろ私。章はノリで付き合ったりする人じゃないくらい知ってるのに。

『ああ。すげー好き。』

大切なふたりがそういう関係になったこと、びっくりしたけど穏やかな気持ちになった。