「先生、なにか言ってください。」

なんにも、言えなかった。
メデューサに見られたかのように全く動けないし、言葉すら喉まで漸くきてもまた飲み込んでしまう。
本当に石になってしまったよう。

「先生、私が見たのは別人だったんですか?」

…きっと見間違えじゃない。それが私だって核心を持ってることを物語る、芯の強い瞳。