しばらくして、体育祭への練習は本格化してきた。

「美加ちゃーん!」

見っけ!と相沢くんが私を指差す。

…"ちゃん"に戻ってるし。

「どうしたの?」

「それがさー、坂上の奴見つかんなくて。」

どくんと心臓が跳ねた。
あの突然のさよならから数日経ったけれどまだ目も合わせてもらえない。

「…そう、また中庭とか屋上でサボってるのかな?見てくるから練習始めてて!」

「おう。任せた、美加ちゃん!」

どうしてあの時、すぐ好きって言わなかったんだろう。ジャスティンは言ってくれたのに、どんな恋をしてても味方だって。だから彼がいても、坂上くんに言えばよかったのに。
私って本当に馬鹿。

でもこの恋は報われないからいつまでも続けるわけにはいかない。だから、いい機会じゃない?ってそう思う自分もいる。