こつん、と私の膝に坂上くんの膝がぶつかった。私と彼との距離がもう0センチになっていた。
顔を上げるとそこには坂上くんの歯を食いしばった顔があった。

「…坂上くん、」

「嫌なんだ。俺、嫉妬深いから…例え家族みたいな関係だとしても先生の隣に他の男がいるなんて、堪えられないんだ。ガキみたいだろ?」

私はなにも言えなかった。坂上くんがヤキモチ焼きなこと知っていた。それでも私にとってジャスティンはお兄ちゃんみたいな人。
だからいつも一緒にいても恋愛に発展することはないって確信してる。

だから、心配いらないよその一言をいえば済むのに言えなかったのは、今目の前にいる坂上くんがあの日、私に別れを告げた章と全く同じ瞳をしていたから。

「先生、先生は俺のことどう思ってる?」