「ミカ、それはなに?」

そう指差したのは、なんの変哲もないきんぴらごぼう。

「きんぴらごぼうっていうの。食べる?」

「うん。すごく美味しそう!和食はヘルシーでいいよね。」

「私の手作りで美味しくないかもしれないけど、どうぞ。」

そう言うと、ジャスティンは口を大きく開けた。

「…なに?」

「ほら、俺箸持ってないし手だとミカ嫌だと思って…だから、あーん。」

「ふ、お兄ちゃんのくせに妹に甘えるの?」

そう笑って、私はジャスティンの口にきんぴらごぼうを運んだ。

「うん!すごい美味しいよ。少し辛いけど。」

そんなとき、ギィっと錆びた扉の開く音がした。