テスト中、シャーペンを走らせる音だけが教室を包んでいた。その中に、シュッシュッと採点する私の赤いペンの音。
それ以外なにも聞こえない空間。

―さすが南田くんは優秀だなぁ。確か次は、

次のテスト用紙を見ると汚い文字で"坂上雅志"と書かれていた。

さっきの文は消されてはいなかった。空欄に書かれたその文の隣に私は筆記体で英文を書いた。

『I think so,too.』