中庭に着いて、ジャスティンはジーンズのポケットから小銭入れを取り出して、小銭を自販機に入れる。

「オレンジジュース、だよね?」

「うん。」

ジャスティンは優しく微笑むとボタンを押して、ジュースを私に手渡した。

「ジャスティンは?」

「俺はコーヒー。」

にっこり笑って缶コーヒーを自分の頬に着ける仕種がかわいらしい。

「ブラック?」

「うん。甘いのはどうも苦手でね…。」

「そう。私はブラックは苦くて飲めないの。」

「苦いの嫌いなんだミカって。」

「うん、甘いの大好きなんだけど。」

「真逆だね、嗜好は。」

「ほんと。」

そして私達は笑い合った。そんな些細なことで笑える関係。それはあの半年間で培われた信頼、友情よりも確かななにか。