その夜は、坂上くんのあの目を思い出してしまってなかなか寝付けなかった。
子供のそんないたずらにこんな困るなんて私は、まだまだね。
結局ろくに睡眠を取れなくて翌朝の私の顔は悲惨だった。
「…最悪。」
鏡に映る私にぽつりとそう吐き、メイクを始める。
コンシーラーで目の下にできたクマを消し、薄くファンデーションを塗る。
その他諸々やり約30分で終了。
ふと頭に過ぎった昨晩の坂上くん。あんな夜遅くにあんな公園でなにしてたんだろう。
今時の男の子だし、夜街に出るのは珍しいことじゃないけど、ひとりぼっちでってあるのだろうか。
最近の子はよくわかんない。っておばさんくさいね。