触れるだけの、キス。
これ以上は躊躇ってしまう。もし、これ以上をしたら私は条例違反、下手すれば犯罪者だ。

「…せんせ?」

進めない、恋。ここから先はkeep out―立入禁止―


滲んだ視界で、なんとか坂上くんだと理解した。
本当は、もっともっと、一緒にいたいよ。
でも、近付けても、この浅い接吻さえもグレーゾーンなのか。

悔しくて、悲しくて、切なくて、恨めしくて…私は涙を一筋流した。

どうして、私は社会人なんだろう。坂上くんの先生なんだろう。