それは章の手紙。男の子のくせに凄く綺麗な字が、あの頃を鮮明に思い出させる。

その手紙の冊子をクラスメートから受け取って、みんなからいってらっしゃい!そう笑顔で見送られた。
みんなの思いが詰まったそれは私の宝物。ホームシックになったら、これを読んで頑張れた。

章からの手紙を読むと、愛おしさで胸がいっぱいになった。

「…カッコつけだな、章。」

不機嫌そうに坂上くんは言って、冊子を閉じる。

「妬いてる?」

「…別に。」