卒アルをあった場所に、坂上くんは戻すと、隣にあったモノを取り出した。

私の好きな、空色の本のようなモノ。私は、思い出した。

「あーっ!」

それは、…私がロンドンに留学するときにクラスメートが書いてくれた手紙のような、寄せ書き。
…懐かしい

坂上くんは何食わぬ顔でぺらぺらページをめくる。
そしてあるページで手を止めた。

嫌な予感がした。その予感が当たるまで、数秒。

「Dear Mika
いってらっしゃい。昔からの夢だった語学留学、楽しんでこいよ。クイーンズイングリッシュはアメリカとはイントネーション違うし、不安かもしれない。でも美加なら大丈夫。その底抜けの明るさ、英語力でホストファミリーとすぐ打ち解けると思うよ。辛くなったら、寂しくなったら、タイムラグなんて気にしないで連絡していーからな。俺は、ずっと美加の支えでいたいから!頑張りすぎる美加だから無茶しそうで怖いな。笑
半年後また美加に会えるのを楽しみにしてます。
I love you so much!
LOVE
Akira」