『翔瑚と優翔は“あのはなし"を知っているんですか?』


苺さんに尋ねる。


「知らないわよ。あの二人、絶対に反対するもの。」


なるほど。


『知っているのは僕たちの両親と僕たちだけですか?』


神は苺さんにそう聞いたが、

この間
苺耶と苺夏ちゃんに電話で話したのよね。


『長女と次女が知ってるわよ。』


「苺耶さんと苺夏ちゃんですか。」


『えぇ、そうよ。』


苺さんがそうこたえると、
三人ともモニターに視線を戻した。



「「ってかさ、
あたし9年間ずっと
一人だったんだよ?」」


いつのまにか口喧嘩は終わっていたらしく、
苺李ちゃんが語りはじめた。


「「やっと高校生になれる
って思ってずっと
楽しみにしてた。
友達も沢山つくるって
思ってたのに……」」