ひかるから渡されたものをポケットにしまい、


車に乗った。



正直めんどいけど、



奥様には世話になってるからなんともいえない。





―――…





車を走らせること
約30分。


車から降り、辺りを見渡す。



「ヤング〜!こっちよ」


あ、いた。



俺をヤングと呼ぶ人間はこの世でただ一人。


奥様だけだ。



若井=若い=Young




ヤングだ。



「遅いわよ!」


いや、そんなこと言われても

しっかり交通ルールを守ってきたんだから。


『申し訳ございません。』



「まぁいいわ。」



車のドアを開けると、そう言って乗った。



ドアを閉めて俺も運転席にのり、車を走らせる。





「変装してない苺李、みたでしょ?」



車を走らせてすぐ
奥様が口をひらいた。



『はい。』



「どう?」



『…は?』