*
パチンッ

「ククッ…ずいぶんご機嫌斜めなんだね、莉真。」

「調子に乗らないで、雅耶。」

大通りがガラス越しに見える。

後ろから落ち着いた笑い声が聞こえてくる。



「雅耶、あなたもさよならよ。」

「冗談だろ?俺だって…」




雅耶からは余裕の笑みが消えていた。

私はそんな顔してなんて欲しくなかったのに。




向き合う私たちは少し沈黙をおいた。