「そん時は、もうあいつ高校辞めて仕事の方に力入れてた頃でさ。初めて見たとき、なんかよくわかんねぇけど…守ってやりたいと思った。」

恥ずかしそうに、でも悲しそうに頭をかいた。

そんな宇建に俺は何も言えずに話をただ聞いた。

「…まぁ、フられちゃったけどな。『あんたはもっといい女をもらいなさいよ。』って。何も言えなかった。」


たばこの火を消してから、しばらく沈黙が続いた。