そうして結局俺は言い訳を見つけられることなく、ただ曖昧に頷いて仕事を引き受けることしかできなかった。


会長室から帰る途中、課長は何度も俺に頭を下げた。

最初は許すつもりなんて微塵もなかったのに、いつもより増して真剣そうに謝るので条件を付けて許した。

その条件ってのは勿論、
『もう二度と俺に‘こういう類の仕事’を押し付けない』
こと。

正直、課長がこの条件をのんだのは意外だった。

何か裏があるんだろうと考えたが、その時は知る由もなかった。