そこで思考を遮るように電車が到着する。
プシューーー…

朝の通勤ラッシュのせいか一瞬電車内が地獄絵図かと思うほど人がうじゃうじゃしていた。

というか、むしろ缶詰め。人間缶。


この、羽倉(ハクラ)駅周辺にはろくにデカイ会社がない挙げ句街が朽ちかけているために朝の時間にこの駅で降りる人はほとんどいない。

そのため、正直毎日死にそうだ。

自分でも、よくやると思う。


ぞろぞろ入っていく流れにそって俺も電車に詰め込まれていく。

電車の中は、梅雨らしい湿気がこもって生ぬるかった。