その日あたしは無事に家に帰してもらえた。
水分補給をしっかりするように、長い間日に当たらないように、って病院の先生に何回も言われたけど。
お母さん達の話によるとパーティはちゃんと終わったらしい。
時間を遅らせたけど、復活を祝えたと言っていた。


あたしのせいで遅らせちゃったなぁと思っていたら、お父さんが『ちゃんとできたんだ。自分のせいだなんて思うな。思うのは心配かけないようにしよう、にしときなさい』って笑っていってくれた。
さっきの病室みたいに怖そうな顔じゃなくていつものお父さんの顔。
うん、やっぱりあたしはこっちのが好き。
こっちを向いて笑ってるお父さんを見てたらあたしもつられて笑顔になった。

結局、あたしが病院を出る最後の最後も星斗は来てくれなかった。


誰に心配されても、誰が笑ってくれても。
あたしが心配されたいのは、笑ってほしいのは。
星斗なのに。

伝えなきゃ伝わらないって知ってるけど、あたし怖いんだ。

俺にはお前を幸せにできないってまた言われるのが。
星斗があたしの幸せを願ってくれてるってのは分かる気がする。
けど、あたしの1番の幸せは星斗の隣にいる事って事はいつか伝える。
伝えるからその時まであたしの事待っててよ。


誰が悲しんでも太陽は必ず出てくるし。
どんなに楽しみにしてた人がいても雨は降る。


たくさん想ってる人がいても想いが伝わらない時もあるし。
夢を望むだけじゃ何も変わらない。



星は、人の願いを受け止めてくれる。
叶えてはくれないけど、応援してくれる。
毎晩毎晩優しくあたしを見守ってくれてる。
それだけは信じていい?

星斗も見てるかな?
この星空を。