つかつかと司会のマイクまで歩いてく。
先生も中学生と高校生が全員集まった体育館で視線はあたしに集中してる。
それにあたしは気付かない。
だってあの時のあたしの頭の中は怒りでいっぱい。
周りの痛い位の視線に気づいてたらあたしはきっとやめてたはず。

『あんたさぁその人達の事どれだけ知ってるの?あたしが知ってるその人達の感じと違うんだけど、もしかしてふざけてる?だって逃げれるならとっくに逃げてるに決まってない?それができないのは行く場所がないからにきまってるし、それに逃げようとしても国に逆らえるわけないじゃん。馬鹿なの?あたしも馬鹿だけどそん位知ってるよ。それより馬鹿なあんたはどうなっちゃうんだろうね』


本当に止まらなかったのに。
誰か止めてくれればなぁ、なんてただのわがままか。
まぁ、止めるとかそいいう問題の前にみんな呆れてたから、うん。
だってまさか意見文に文句言うとか思わないでしょ。
いや、あたしだって思わなかったし。

「そん時に奈々さんの事見かっこいいなぁって思ったんですよ?いい意味なんですから」

隼人はそう言ってくれたけどあたしにはただの後悔でしかない。
だってあの後ときたら大変だったから。
先生に怒られるは、理事長に文句を3時間も言われるし。
停学3日もくらったのは2年生だったあの頃よりも今の受験に響いてる。

今さら後悔しても遅いけど、あの猪突猛進な性格は直した。
たまに昔のくせ的なものがでちゃうけど。

「あの頃のあたしは今以上に馬鹿だったんだから、もう触れちゃ嫌だからね」

溜息をつきながら言う。
クラスの友達にもからかわれたから何気にトラウマ。
その話はあんまりしたくないのが本音。

「とりあえず俺と星斗はそこで知りましたとさ。了解ですか?」

顔はこっちに向いてはいないけど笑ってるのが分かった。
肩ちょっと震えてるし、ばれてんだからね。
よし、今度この話したら殴っちゃおう。
って言うのは冗談で星斗にもそこで知られたのかぁ…
ちょっとショック…
あんなあたしはあんま見てほしくなかったなぁ…

話してる間にもうコンビニの近くまで来てた。

「はぁーいっ!到着!」