星斗と会って6日目。

あたしは星斗と会う前の普通の日々に戻っていた。
違うのは花屋とメガネとくくって笑い方と星を見るたびに星斗を思い出すこと。

それだけじゃなくて、
綺麗な虹を見たら星斗に見せたいって思うし
アイスを食べたら星斗は何味が好きかなって思って
友達のプレゼントを買ったら星斗の誕生日はいつだろうって思う。

とにかくあたしの毎日は会わなくても星斗で溢れてた。

星斗も一緒だったら嬉しいんだけど。


あの後、泣きはらした目で病院に行ったら

『また花買って来なかったの?…って奈々あんた転びでもしたの?』

転んで泣くってあたしは子供か!!
ってかあたしもう中3なんだから転ばないよ!

そう返したら

『だってあなた昨日病室入ってきて転んだじゃない』


そう言えばあたしは星斗が売ってくれたヒマワリが実は2000円だった事が嬉しくてスキップをしててこけた。
普段なれないスキップなんてしたからいけないってお母さんに言われたけど。
すっかり忘れてた。

花買って来なくてごめんね、って謝ったらお母さんはあたしの頭をよしよしとなでてくれた。


その日の夜、無事元気な男の子が生まれた。
あたしと大分年は離れてるけど、可愛かった。


星斗と会う前は嫌だって思ってたのに。
これも星斗のおかげかな?

名前は空って言う名前になった。
星斗とおんなじ種類みたいで嬉しかった。


ちょっと小さめに生まれてきた空は入院してる。
でも、今日は予定が入ってるから会いにいけないなぁごめんね、空。

なんて思いながら待ち合わせ場所に向かう。

病院に行く道を通って行くと花屋が見えた。
星斗は外に出てこないから見る事はないけど、花屋を見るだけで嬉しくなれる。

自然と笑みがこぼれて周りの人に変な眼で見られる。