「まず人をもの扱いするとは、どういうことですか」
「それは言葉のあやという奴で…」
静かに怒っているクリスティナに俺はうろたえる。
おかしい、こんなはずではなかった。
今頃クリスティナは、目を潤ませて王子ったら…と言ってるはずなのだ。
「なかなかクリスティナが振り向いてくれないから、色々と手を変えてみようかと思って」
俺の言葉に、クリスティナははぁーと深くため息を吐いた。
「貴方という人は、本当に周りが見えていないというか、鈍いというか。どうしようもない方ですね」
主人に対してひどい言いようだ。
好きだから、許すけど。