僕は翌朝そのクリニックの開業する時間まで待って
診察券の電話番号にかけた

彼女のフルネームは出せるわけが無い
僕は電話でそのクリニックの主に扱っている症例について
じぶんが疾患を抱えているフリをしながら
聞き入った

電話の声は若い女性の声で
親切に応対してくれた。

「ここのクリニックで扱っている患者の症例は絞り込まれています
あえていうなら症状の強弱でしか患者の区別がありません」

「その症例とは何です…?」

「誇大妄想に直結した虚言癖…自己の体調不良を不治の病と思い込み側からの説得に耳を貸さない…ここはそんな患者ばっかりです」
ところで貴方の自覚症状についてお聞かせ願います


僕はとっさに電話を切った