「宇依那。」


放課後、あたしは日直だったので、日誌を書いていた。

そんな誰もいない教室に響いた声。

あたしの、落ち着く声・・・。


「・・・だれ??」


あたしは、日誌を書きながらゆっくりと呟く。


「わかってんだろ??」

「わかんないよ。」


ほんとはわかってる。


ぎゅっ――・・・

「きゃあっ!!」


突然後ろから抱きしめられた。

その拍子で、椅子も2本足。



「日誌、頑張ってんじゃん??」

後ろから顔を覗かせた、あたしの大嫌いで大好きな顔。


「でしょ??てか、離れてよ。風龍!!」



風龍は、やだ って言って離れなかった。