サッと差し出された靴は、人の心を傷付ける言葉が書いてあったとは、思えない程、かわいくなっていた。
オレンジ色がベースなのか、黄色やオレンジ色、橙色など、オレンジ色に似た色で、靴は塗られていた。
「あーっ。あの文字がポスターカラーで書いてあって良かったあ。」
先生は、伸びをしながら呟いた。
「ポスター・・・カラー??」
「うん。あの絵の具のポスターカラー。あれはね、乾いてたらどんな色でも、重ねて塗って大丈夫なの。色が混じらなくてキレイに仕上がるの。」
さっきまでは、おちゃらけていた先生が、突然語り出して、あ然とした。
「ビックリした??一応あたし美術教師だしね!!」
にっこり笑った先生は可愛かった。
これが先生との出会い。