「宇依那ーっおはよー」

「おはよー紅憐(クレン)」


紅憐はあたしの小学生からの親友。

すごく可愛くて背が高いからよくスカウトされるくらい。

でも紅憐はいつも断るんだ。


「あたしは、お金よりも大切な物がある。」って。



「それは友達と家族と男(笑ッ 会える時間が無くなるのは嫌なんです。」





きっぱり断る紅憐は
いつもカッコ良くてあたしの自慢の友達だし尊敬する。


「宇依那はよっ。」


「うわっ!!風龍・・・。」


風龍に頭をグシャグシャにされた。

それと同時に昨日の事を思い出し黙り込む。

でも・・・顔赤いと思う・・・。


「あ・・・・・・風龍・・・。おはよ・・・――?」


「・・・・・・―――。」



紅憐と風龍の間に変な空気が流れる。



風龍…ちゃんと返事、したげなよ。

紅憐思い切って、挨拶したんだよ。
きっと、きっとそうだよ。

だから・・・だから・・・



「宇依那顔あかい。」

「ひゃ・・・っ」


風龍にほっぺを摘まれた。


う゛ーっ!!


「あ・・・宇依那、先、行くね・・・?」

紅憐はあたしにそう言って走って行った。

「あっ!!!紅憐!!?ちょっ、待って?」




グイッ


「ほっとけよ。」

紅憐を追いかけようとするあたしの手を風龍は引っ張った。

「やっ、やだよっ!!」





「やだじゃねぇ。」


グイッッッ



「んっ・・・―――」


あたしはキスされた。

誰からも見られない死角で・・・。


「んっ・・・はぁ・・・ふぁ・・・りゅっ・・・と・・・んぁ。」


優しいキス。

だけどなんでまたキス?!


しかもこのタイミング。
バカなの?!




「はぁ・・・宇依那の声、甘スギ。」

「っ//////」



一気に顔が熱くなる。

バカァっ!!!