あたしは
風龍の耳をくわえた。


風龍は耳が弱い。

だから。



「・・・宇依那・・・。」
「引っかかった?だよねっ。はははは“キュッ・・・――”

!!!!!??


風龍が
笑ってるあたしの手を
真剣な顔で握る。


「な・・・っ。何よ。離して。」

風龍はそれでも
手を離さない。

なんなの・・・。

なんでそんな真剣なの?
止めてよっ。


「―――・・・っ。風龍っ!」


叫ぶあたし。
目を瞑る。

スッ・・・。

手を握るのを止めた
風龍。

「風龍。ありが「誘ってんの・・・?」


へ・・・?

ドサッ・・・

「きゃ・・・っ。」

“誘ってんの・・・?”

そう言った風龍は
あたしを押し倒した。


な・・・なんで・・・?