『ケンチャンも乾杯!』

『ウイッス!』


『え〜っと、ケンチャンはかおりんの事知ってるよね?よくカウンターでかぶってたし。』


『え?そうなの?』

『かおりん気づかなかったの?ケンチャンも常連さん!ただし、いっつも一人で閉店間際の静かな時間に来るの!ハードボイルドでしょ?』


『ハードボイルドって…ただ、仕事帰りなだけっすよ。』

あ…"ケンチャン"の声、ヒロより低いなぁ。


『ケンチャンはね、かおりんの2つ上。駅前の不動産の社員。彼女居ない歴二年!』


『人の個人情報ばらさないで下さいって!』


"ケンチャン"は笑うとえくぼが出るんだ。



─あ…、あたし…ヒロと比べてんの?
馬鹿じゃん…