『香織ちゃん!』

コンビニの駐車場に差し掛かった所でケンチャンが車から顔を出した。


『あ、こんちわ!』


『ははっ。こんちわ。』


ケンチャンはえくぼが目立つ笑顔を見せた。


ケンチャンは良く笑う。
凄く優しい笑顔。
きっと、あたしを好きっていうのも本当だよね。



だって、あの笑顔には気持ちがこもってる。


あたしだって、伊達に21年も生きてるわけであって、観る目はある!



『乗りなよ。』


ケンチャンが中から助手席のドアを開けてくれた。


こういう気遣いがケンチャンの良い所なのかな。


昨日、酔ったマスター樹を心配してケンチャンはあたしがアパートに入ったのを見送ってくれてマスター樹を自宅まで送ってってきれたんだ。


しかも、あたしにバレない様に見送ってたみたぃ。(笑)