『はい…』

ケンチャンが頷いた。


『じゃぁさ、さっさと告って玉砕しなよ!』

マスター樹はいつもより饒舌になった。


『ん〜トイレ行ってくるわ。』


そしてマスター樹は酔うと空気を読まなくなるらしい。


『酔ってるね、マスター。』


『うん…多分、寝ちゃうね。』

笑いながら答えて、あたしはケンチャンを見た。


ケンチャンもあたしを見てる。

『あのさ。』


『はい?』


『俺、香織…ちゃんに…』

『??』


ケンチャンは一回俯くと黙った。


『…………香織ちゃんに惚れてんだ。』


顔を上げてケンチャンは言った。