そこには、足を机の上に乗せ、本を読んでいる雪兎がいた。



「雪兎様っ…!」



怜奈はそう叫び、雪兎のもとへ駆け寄った。



雪兎はゆっくりと怜奈を見上げた。



「…ん?怜奈ちゃん?どうした?」



男らしい、とても低い声。



雪兎は、少しびっくりした目で怜奈を見つめた。



まだ私の存在に気づいていない。