バタバタと廊下を走る足音が2つ。



「怜奈っ、雪兎、どこにいるの?」



走りながら問う私。



「多分、視聴覚室!そこにいつもいるって先生が言ってた!」



怜奈はチラッと後ろを向きながら答えた。



走ってるせいで、私の長いストレートな黒髪がなびく。



なぜ、走っているのか。


それは、雪兎が女の子たちに囲まれないうちに、話を済ませるためだ。